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日本脳脊髄液漏出症学会
会について

理事長挨拶

「日本脳脊髄液漏出症学会の出発にあたって」

日本脳脊髄液漏出症学会
理事長 中川 紀充
明舞中央病院脳神経外科

このたび「日本脳脊髄液漏出症学会」を発足させていただくことになりました。初代理事長の大任を拝しました明舞中央病院脳神経外科の中川紀充と申します。

脳脊髄液漏出症とは、「脳脊髄液腔から脳脊髄液(髄液)が持続的ないし断続的に漏出することにより減少し、頭痛、頚部痛、めまい、耳鳴、倦怠感などさまざまな症状を呈する疾患である」と定義されています(脳脊髄液漏出症診療指針 2019年出版)。本学会は脳脊髄液漏出を中心に、低髄液圧、髄液産生低下・吸収亢進・動態異常などを含む脳脊髄液減少病態に関しての臨床と研究を行ってまいります。本疾患は起立性頭痛を主症状とする症例が多いものの、その他の多彩な症状・病状を経験する中で、単に髄液に関わる問題だけではなく、おそらく神経系の様々な領域が関与する病態であると考えております。

どうかこれまでの研究会の枠を超えて様々な分野からご参加いただき、疾患病態の解明と診療の発展を進めていくことお願い申し上げる次第です。

さて、旧・日本脳脊髄液減少症研究会は2003年第1回低髄液圧症候群研究会に始まりますが、篠永正道先生(国際医療福祉大学熱海病院教授)が低髄液圧症候群・脳脊髄液減少症に取り組まれ、その後、本疾患の診療を始めるようになった医師達により結成されました。20年ほどのあゆみの中で、診療現場での経験やデータを共有する場として続いてきました。

初期の頃に比べれば様々なことが判明してきておりますし、検査・治療方法の改善もなされてきております。この間に、ブラッドパッチの保険収載も行われました。脳脊髄液漏出・減少症の社会的認知は進んできてはいるものの、医療界における認知については残念ながらまだまだと言わざるを得ない状況です。本学会の使命として、医療界における本疾患の正しい姿での認知度拡大と、診療施設の増加を進めてまいりたいと思います。

なお、学会結成にあたり名称を「脳脊髄液漏出症」へ変更させていただきました。もとより、我々が取り組んできた脳脊髄液減少症の中心的な治療法のブラッドパッチは、「髄液漏出」に対して行うものであり、現行の保険診療における疾患名称は「脳脊髄液漏出症」が採用されていることなどが大きな理由です。
出発したばかりの非力な学会ではありますが、皆様からのご指導をいただきながら、大きな流れへと発展しゆく学会へと成長していく決意です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

役員

 

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